2011/04/20 23:00:00
![]() | 星霜 (2003/03/05) 妹尾武 商品詳細を見る |
妹尾武さん。初めて知ったのは、ヒーリング系のオムニバスアルバムに参加されていたときかな。そこから今度はアニメやドラマの劇伴で、ピアノの気になる丸い音の主は誰かと探してみると妹尾さんだった。
「ARIA」というアニメーション作品があって、劇伴はCHORO CLUBが担当していた。イタリアのヴェネツィアを舞台にしたアニメで、ゴンドラを操る少女が主人公の作品だったので、CHOROのアコースティックギターやマンドリンの音色を滑らかに演奏することで、水の流れを表現していた。その中で、暖かい表現が必要なときに入ってくるピアノの音が、妹尾さんの音だった。CHORO CLUBが作曲した楽曲もあれば、妹尾さんの手による楽曲の演奏のみをCHORO CLUBが担当していたものもあったんじゃないかな。
ゴスペラーズの専属編曲家でもあり、ピアニストでもある。ゴスペラーズが大好きな友人と車に乗ると、ずっとゴスペラーズがBGMになるので、幸い妹尾さんのピアノの音はたくさん耳にしていたことになる。普通のコードも、ゴスペラーズにかかれば「add9」「M7」のような気持ちのいいメジャーテンションを入れて表現していくわけで、妹尾さんはその味付けを更に深いものに仕上げていた印象があった。
アルバム「星霜」は、妹尾さんによるピアノ1台での演奏を詰め込んだもの。「Danny Boy」のような有名曲から「花のまち」と言ったかなり古い楽曲、そしてゴスペラーズの「永遠に」など色んなジャンルの楽曲を演奏していて、ピアノの表現力の豊かさを思い知らされるオサラである。ピアノってアンプラグドなのに、何でここまで表現を変えられるのな。流石、楽器の王様である。